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2021年6月の中3中学駿台模試分析②

もくじ

    1. はじめに
    2. 中3中学駿台模試 英語分析
    3. 中3中学駿台模試 国語分析
    4. 中3中学駿台模試 社会分析
    5. 8月の駿台模試に向けて
はじめに

数学・理科に引き続き、英語・国語・社会の分析です。

数学・理科の分析はこちら

中3中学駿台模試 英語分析

今回の英語は、文法単元としてはプレテストの範囲に比較・現在完了・受動態が追加されました。ただ、ここ数年の中学駿台模試は長文読解問題が中心で、独立した文法・作文問題の配点は対話文完成問題などと合わせて20点前後となっています。近年の最難関高校入試もそうですが、長文読解問題への対応力がしっかり求められる出題だったと言えるでしょう。
大問1は長文読解(エッセイ)です。単語レベルはそれほど高くなく英文の途中にある空欄に入る単語(熟語の一部)を考えながら、比較的容易に読み進められたのではないでしょうか。
長文読解の読み方としては、精読ではなく速読、日本語の語順を意識した返り読みをせず、英語の意味のまとまりごとに内容をつかみながら、前から後ろへ英文の流れに沿って読んでいく必要があります。速読に慣れるまでは、いわゆるスラッシュリーディング(英語の意味のまとまりごとにスラッシュを入れて読む練習)をするとよいでしょう。英文の内容が把握できたところで、適語補充や語形変化、語句解釈や適文選択、そして英文和訳や内容真偽と、1つ1つ設問に答えていきます。
本文や問題文の中に、in time や neither A nor B、be willing to や prevent A from ~ing など熟語があることに気づけたでしょうか。
大問2も長文読解(説明文)です。大問1の半分くらいの文章量ですが、「記憶力」に関する説明文で、語彙レベルはやや難でした。ここでも in fact、 of course、 take part in、 be worth ~ing など熟語が出ていました。また、空所補充問題で less を選ぶ問いがありましたが、「~ほど…でない」という否定的な意味の less の用法は要注意です。
大問3も長文読解(エッセイ)です。2021年6月なのでまだ文章量が少なめですが、3問目の長文も時間内に読み終える必要があります。語注もありますが、swallow、 manage、 examine、 pretend といった動詞の意味はつかめたでしょうか。速読する上で、単語や熟語の知識は確実に身につけておかなければなりません。長文読解問題を解いた後には必ず、わからなかった単語や熟語は何度も復習して覚えるようにしてください。
大問4は対話文空所補充問題です。weather 以外は on one’s way to や be different from といった基本的な熟語でした。
大問5はいわゆる同義文書き換え問題ですが、free や「~のように」の like など、内容から判断して与えられた文字で始まる語を答える問題でした。
大問6はこのところ必出の整序作文で、受動態や現在完了はもちろん既習の文法単元がいくつか組み合わされた問題でした。
全体的には、例年並の出題で、70点以上は取りたいところです。
8月からは文法単元の範囲が全範囲となります。ただ、長文読解問題重視に変更はないと思われますので、長文読解問題に数多く取り組んで、単語や熟語を確実に身につけながら、英文を速読する練習を積み上げていく必要があります。

中3中学駿台模試 国語分析

大問1は漢字の読み書きからの出題でした。どれもが標準的な出題で難関校を目指す中学生ならば一度は書いたことのある漢字でした。一問のミスも許されないでしょう。
大問2は遠山一行『遠山一行著作集』からの出題でした。音楽についての論説文でしたが、抽象度はそれほど高くなく、読み取りやすい文章だったと思われます。設問も傍線部や問われている部分の言いかえを見つけて答えを出す問題が多く、知識や教養が不足していても正解にたどり着ける問題でした。やや難易度が高かった問題は問4の記述問題でしょう。筆者は音楽をどのようなものだと考えているか。と問われているので、先ずは、「音による会話(第1行目)」と解答の骨から作れたかがカギとなります。そこから肉付けをして解答を作成しましょう。問6の選択問題もやや複雑な選択肢でした。本文の内容とじっくりと照らし合わせて選べたかが重要でした。
大問3は幸田文『崩れ(抄)』からの出題です。随筆文の読解でした。やや読みづらい文章でしたが、大問2で時間をかけずにこられた受験生はじっくりと取り組めたのではないでしょうか。問3の記述問題は一見難しそうにみえますが、傍線部と傍線部より2行後「身にしみる」が言いかえになっていることに気づけたら容易に記述できたでしょう。「理由」を問われたら「傍線部を言い換える」という受験の常識でした。
大問4は『十訓抄』からの出題でした。問1と問2は動作主を答える問題で基本問題です。問3は「~れば」(已然形+ば)の訳し方を知っていれば、本文の内容を理解していなくても正解できます。問5は説話集『今昔物語』を選ぶ問題で基本問題でした。答え以外の選択肢がどれも基本的なものでした(源氏物語、平家物語、枕草子、万葉集)ので、消去法でも解答できたでしょう。やはり問4の記述問題で差がつきます。
大問5は文法問題でこれも基本的な出題でした。学校の授業が定着できていれば、全問正解は難しくはないでしょう。
全体として70点~75点は取りたい問題でした。時間配分はうまくいったのかもう一度振り返ってみましょう。古典や文法の知識問題で間違えた問題は知識を確実に定着させましょう。
8月駿台に向けて、大きな難易度の変化はないと思われますが、俳句、短歌の問題が出題されます。俳句、短歌の融合問題に取り組み、問題に慣れておくことが大切です。季語や表現技法などの知識は確認してテストに臨むとよいでしょう。

中3中学駿台模試 社会分析

今回の社会の問題は、範囲指定がありました。
大問1は世界地理で、東アジア・東南アジア・南アジアからの出題でした。いきなり人口の計算から入ったので、とまどった受験生もいたのではないでしょうか。記述は、生産責任制やデカン高原など、過去にも出されたことがある問題なのでやや易しく、正誤問題は正確な知識が必要な分、やや難といったところでしょうか。
大問2は日本地理で、日本の農林水産業からの出題でした。農業・林業・水産業すべてから出されていました。栽培漁業は絶対に落としてはいけない基本問題です。グラフや表の資料問題は必出ですから、問題集等で練習しておく必要があります。
大問3は歴史で、原始時代から室町時代までの出題でした。野尻湖や稲荷山古墳など、教科書のかなり細かいところからの出題で、教科書や資料を含めてしっかり読み込んでおくことの大切さを痛感させられます。
大問4も歴史で、社会経済史からの出題でした。大輪田泊、書けたでしょうか。塾の授業では「ここ漢字間違えないで!」と指摘しておいたところなので、ここはきちんと得点してほしい問題です。
大問5は公民で、人権思想の発展と日本国憲法の三大原則からの出題でした。公民はどの受験生にとってもまだ勉強が浅く、啓蒙思想家や憲法改正の手続き等、定番の出題となることが多いので、教科書の基本知識は確実に身につけておきましょう。
全体としては、例年より「やや難」といった出題でしたが、60点以上は目指したいところです。
次回8月も範囲指定があります。世界地理(EU加盟国とヨーロッパの国々)、日本地理(日本の地形・気候)、歴史(安土桃山~江戸時代、文化史)、公民(政治のしくみ)ですので、教科書や塾のテキストを見直して、しっかり復習しておきましょう。

8月の駿台模試に向けて

例年8月の中学駿台模試は、受験者数が最も多くなり、難関国私立高校を志望する多くの受験生が本格的に挑戦する模試になります。時期的には、夏休みの4分の3が終わったあたりで行われ、受験の天王山とも言われる夏期に、どれだけ実力が身についたのかを測る絶好の機会となります。
結果がよければ2学期以降もその調子で、逆に結果が悪ければ、志望校合格に向けて想定していた学習プログラムを再考し、立て直しを図っていくことになります。
テストの出題範囲も理社や国語には範囲指定があるものの、英数は全範囲の総合問題となり、本番の入試さながらのテストとなります。
受験生は8月駿台に向けて、しっかり準備をしておく必要があります。
トップエデュでは中学駿台模試での結果が出るように対策をしています。
しっかり準備をし、しっかり結果を出し、受検勉強に弾みをつけられるように、この夏は十分な対策を進めるようにしましょう。


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